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吉田賢司先輩

社)日本空手協会 福島県鏡石支部長

段位: 6段

 

青年海外協力隊(平成8年2次隊)

派遣国:モンゴル

派遣職種:空手

派遣期間:平成8年12月~平成10年12月

所属先:モンゴルオリンピック委員会

勤務先:モンゴル空手道連盟

『蒼天に響く裂迫の気合い』

 

 英雄チンギスハーンの国モンゴル。夏は大草原と青空、さわやかな風。そして零下40度になる厳寒の冬。一歩都市部を出ると、日本の約4倍の広さを有する大地が広がり悠久の時を刻んでいます。

 

 私は首都ウランバートルで2年間、空手道の指導に当たりました。弓、馬術そしてモンゴル相撲と、伝統的に格技の下地がある彼らモンゴル人にとって、日本の伝統武道は血を湧かせる「何か」があるのか概して人気があります。特に空手道は映画の影響もあり、知名度は群を抜いています。主食が肉のせいか、15歳頃からナチュラルに強くてかたい筋肉がついてくる彼らの突きや蹴りには見た目以上のパワーがあり、今後、強い空手家が輩出されてくるでしょう。

 

 同じアジアに位置し、顔だちも似ていることから日本人と思考や行動パターンも似ているように考えがちですが、やはりそこには大きく異なるものがあります。特に礼儀を重んじる武道の修行をする場合はこの「異なるもの」が時として、お互い理解しにくい時もありました。

 

 そうしたものを意識しないで、お互いの心を自然に融和してくれたのが『お互いに汗を流す』こと。そして日本が世界に誇る『日本空手協会の武道空手』であったと感じています。当時を振り返ると、獨協大学で空手道に巡り合えた幸運を今更ながら、感謝せずにはいられません。

 

 草の海におおわれる夏、限りなく続く大草原。そして全てのものが凍りつく冬。そのいずれの時も上空には澄みきった蒼い空「蒼天」があります。その蒼天にいつまでも空手道の「烈迫の気合」が響いていることを願っています。

現在の吉田先輩と

指導されている鏡石支部の生徒

形稽古のようす。

最前方が吉田先輩

モンゴルの冬

   氷点下20度の寒さ。

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